今年の3月4日(土)に今年度の周産期学習会としてアピオあおもりで淑徳大学看護栄養学部看護学科の谷口由紀子先生をお招きして「みんなで考えよう!青森県の小児在宅の今、未来~医療的ケア児等への相談支援スーパーバイザー養成研究から見えてきたこと~」と題してご講演いただくことになりました。

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周産期学習会のご案内と申し込みは以下をクリックしてpdfをダウンロードして下さい。
3月4日(土)周産期医療学習会案内&申込書
谷口先生には昨年末の12月27日に開催された「医療的ケア児支援に関する情報交換会」にお越し下さり、青森県の現状をヒアリングする一方で、全国の取り組みに関していろいろと教えて下さいました。以下の写真は当日の様子です。




今回の学習会では、昨年のヒアリングを踏まえた上で、本県にどのような取り組みが必要なのかに関してお話ししていただけると思います。今回の学習会には医療・福祉・教育関係の方に加えて、患者さんのご家族にもお声がけしたいと思っています。多くの方にご参加いただければと思います。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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青森県立保健大学では毎年、看護系2講、助産コース6講を通常講義として担当していますが、これらとは別枠で新生児・周産期医療と社会との関わりのようなことに関してペリネイタル講義として毎年講義させていただいています。以下は昨年の講義です。
昨年1月13日 保健大学で今年度もペリネイタル講義

ペリネイタル講義では毎年80分を2コマいただいていて、1回目の内容としては、
・日本の少子化問題の背景
・少子化なのになぜ低出生体重児が増えてNICUが足りなくなるのか?
・小児在宅医療と母親の就労の問題に関して
・新生児医療における看護体制の問題~特に「一人飲み」問題に関して
・産科病棟の新生児の扱い~母親の付属物としての扱い
・女性の年齢別労働力率におけるM字カーブの問題
等々、まもなく看護師・助産師として社会に出て、周産期医療に関わるであろう彼女たちが近い将来直面するであろう現実に関してお話ししました。
先週の2回目の講義では、
・NICUとは?
・ファミリーセンタードケア
・NICUと退院したお子さん達の発達とフォローアップ
・小児在宅医療の問題点
などの、新生児医療を取り巻く問題をお話しさせていただきました。
今年も「コウノドリ」の話題から入ってみました。


これは神奈川県立こども医療センターの豊島先生のスライドを拝借させていただきました。この後も神奈川県立こどもの写真や豊島先生のスライドが度々登場します。

こちらはドラマ「コウノドリ」での神奈川こどもでの撮影風景の写真です。スライドには四宮先生とありますが、最近だと「平匡さん」ですね。




こちらは先日もご紹介したウプサラ大学の動画です。最後の方にスマホで見やすいようにQRコードを貼っておきました。


















内容がついつい盛りだくさんになってしまい学生さんには消化不良だったかも知れませんが、少しでも新生児医療と、その先にある様々な背景に少しでも興味を持っていただければと思っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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東奥日報夕刊の連載 「知ってほしい赤ちゃんのこと」 は今週月曜日が40回目でした。今回は以前ご紹介した小児医療費助成の問題の続編です。
東奥日報連載18回目 小児医療費助成の自治体間格差問題
東奥日報連載19回目 青森県の小児医療費助成問題その2
本文でも述べたように、1年半前にこの連載原稿を書いていた頃は青森県の小児医療費助成が全国的にみてどのような位置づけにあるのか分かりませんでした。しかし今回、こうしたデータを目の当たりにして「これは公表するしかない」と考え、今回ご紹介することにしました。公表するにしてもしないにしても事実は事実です。まずは、こうした客観的な情報を踏まえた上で議論がなされることを期待します。


都道府県別の小児医療費助成(3歳未満)の所得制限状況(平成27年12月時点、クリックすると拡大表示されます)
以下、本文です。
「RSウイルス」をご存じですか? ちょうど今頃の時期に流行する呼吸器感染の原因となるウイルスで、この連載で1年半ほど前に小児医療費の問題を取り上げたときにも紹介しました。乳幼児期にかかることが多く、中でも早産児のお子さんは生命に関わるほど重症化することがあります。
このウイルスの重症化を防ぐための注射があって、流行期には毎月注射する必要があるのですが、かなり高額で、医療費の自己負担分を仮に2割とすると、窓口負担は1回あたり3~5万円にもなります。
青森県では小児医療費助成に所得制限が設けられている自治体が多く、その制限ラインもかなり低いため、経済的理由から注射を打ちたくても打てない患者さんがいる実態をご紹介しました。
当時は他県の状況が分かりませんでしたが、最近になって、この注射を扱っている製薬会社が、全国の各自治体の小児医療費助成に関するデータを持っていることが分かりました。今回はそのデータを分析して紹介したいと思います。
下のグラフは、全国の3歳未満の子どもに対する小児医療費助成の状況をまとめたものです。
助成の基準設定は各市町村に任されているので、まず全国の各市町村の所得制限の有無を調べ、制限がある場合は、扶養家族を1人とした場合の制限額ごとに色分けし、各都道府県の総出生数に対する割合として示しました。
全国47都道府県のうち、33都府県は所得制限がなく、グラフでは白い帯となっています。
所得制限がある場合は、300万円未満を最低ラインとして赤色で示し、100万円刻みで高くなるに従って色が薄くなるようにしました。
こうしてみると、300万円未満の所得制限は青森県以外に存在せず、しかも本県ではそれが6割超を占めています。400万円未満の設定があるのが、岩手県、宮城県、茨城県の3県で、それでも割合は3割程度です。お隣の秋田県も過半数で所得制限がありますが、最低ラインでも約498万円です。
本県の小児医療費助成における所得制限ラインの低さは明白です。本県の中では手厚いとされる青森市も制限ラインが約570万円と県内では高めですが、それでも全国的にみれば標準もしくはそれ以下にすぎません。
1年半前にこの問題を取り上げたときには、これほど本県の状況が悪いとは思っていなかったので、今回のデータは正直ショックでした。皆さんも同じ思いではないでしょうか?
小児医療費の無料化に関しては、コンビニ受診の問題や、本県の小児科医不足もあるので、単に無料化がいいとは思いません。しかし、必要な医療を受けたくても親の所得によって受けられないお子さんが存在していることも事実です。
小児医療費助成の議論では「親の負担軽減」と「子どもが医療を受ける権利」に混乱があるように思います。少なくとも親の所得によって「子どもが医療を受ける権利」が侵害されてはならないはずであり、例えば医療費が高額になる方を優先して助成するなど、子どもの医療費助成には、ある意味「保険」的な性格が求められるのではないかと思います。
今回ご紹介した全国的な位置づけも含めて、今後、小児医療費助成に関してさらに議論が深まることを期待しています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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新生児医療関係者が中心に参加しているメーリングリストである「 新生児医療フォーラム 」のホームページがこのたび十数年ぶりにリニューアルされました。 新生児医療フォーラム には現在、1800名もの方が登録されており、日常診療に関する様々な話題に関する情報交換の場となっています。
下の画像が新しくなった 新生児医療フォーラム のトップページです。

(画像をクリックすると新生児医療フォーラムホームページへリンクします)
歴代管理人を以下にご紹介します。 新生児医療フォーラム は、かつて初代管理人である、加部先生、猪谷先生、関先生、沢田先生からスタートし、当時はまだニフティサーブのパソコン通信の時代でした。その後、インターネットが普及した頃に我々の二代目管理人が引き継ぎ、メーリングリストと旧ホームページの組み合わせから構成される現在の形ができました。メーリングリストは当初、参加者全員へ配信される周産期サロンと、医師だけが参加するドクターラウンジの2系統で始まり、現在は看護師さんだけが参加するナースラウンジも運用中です。今回のリニューアルに際しては、三代目管理人のお一人である西原先生が頑張ってくださいました。現在はちょうど四代目管理人が決まったところです。大きな学会では朝食を兼ねて定期的に集まっており、写真は昨年の学会の時の写真です。
新生児医療フォーラム管理人
四代目
神奈川県立こども医療センター総合周産期母子医療センター新生児集中ケア認定看護師
齋藤 香織
埼玉医科大学総合医療センター臨床工学部
須賀 里香
岡山医療センター総合周産期母子医療センター新生児科
竹内 章人
三代目
堺市立重症心身障害者(児)支援センターベルデさかい
西原 正泰
愛知医科大学病院周産期母子医療センター新生児集中治療部門
山田 恭聖
熊本市民病院総合周産期母子医療センター新生児内科
川瀬 昭彦
二代目
川口市立医療センター新生児集中治療科
箕面嵜 至宏
青森県立中央病院総合周産期母子医療センター成育科
網塚 貴介
聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター新生児科
大木 茂
初代
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター新生児科
加部 一彦
神奈川県立こども医療センター総合周産期母子医療センター新生児科
猪谷 泰史
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター新生児科
関 和男
東邦大学医療センター佐倉病院小児科
沢田 健
第52回日本周産期・新生児医学会学術集会(2016 富山)

第61回日本新生児成育医学会・学術集会(2016 大阪)

さて、こちらは旧ホームページです。今回のリニューアルでは旧サイトも残して下さいました。管理人の写真も平成15年の写真ですので、みんな若いですね。本当に懐かしいです。



新生児医療フォーラムも一新され、さらなる発展をしてくれることを願っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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