2017.08.28
この週末は当院周産期センター内で青森県医師会主催の新生児蘇生法講習会がありました。

県医師会主催なので常任理事の苫米地先生が八戸市から朝早く駆けつけて下さいました。

今回は青森市内でご開業の千歳先生がインストラクターとして参加して下さいました。

NCPR終了後のインストラクターによる反省会です。今回は当院スタッフに加えて千歳先生と青森市保健所の野村先生や、以前当院産科に勤務されていた横山先生もインストラクター補助で参加されています。

今回の講習会の参加者は医師会主催ということもあってクリニックのスタッフの方がほとんどでした。NCPR2015ではCPAPが大きな修正点の一つになっていますが、クリニックではCPAPの設備がない施設がほとんどです。NCPRのアルゴリズム上はCPAPと酸素投与が並列なのでCPAPがないこと自体は問題ないのですが、講習会の最後には試験もあって、それに合格する必要もあります。そうなると、講習会の狙いを、まずは合格優先で普段使うことのないCPAPの説明に重きを置くのか?もしくは実臨床で役立つようにCPAPは使えないという前提でより現場に即した講習会内容にするか?と非常に悩んだ講習会となりました。同じ新生児蘇生法講習会とは言っても、どのような立場の方が受講するのか?というのは大きな問題です。また、これからも回を重ねて行くことで講習会内容をブラッシュアップさせていければと思います。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.08.27
8月26日(土)朝に朝日新聞デジタルに 乳幼児の入院付き添い、なぜ24時間?(記者の一言)
と言う記事が掲載されました。この記事は 患者を生きる シリーズの中で 小さな肺(1)「明日死ぬかも」何度も 移植待つ日々 と言う連載を書かれている錦光山雅子記者が、その取材の過程で「どうしてもおかしいと思ったこと」がありました。連載に登場した女の子が一般病棟に移ることを病院から勧められた際、家族は24時間付き添うよう言われたのです。その疑問から生まれたのが今回の記事です。
以前2014年1月に朝日新聞のオピニオン欄に 「病気の子の付き添い 母親への依存見直しを」 と投稿したことがご縁で、今回の記事執筆に際して取材していただきコメントもさせていただけました。
この記事の中でも特に結びのこの分に共感します。「病院の外では、少子化対策や保育園の整備の充実が叫ばれている中、病院の中では、少子化対策とはほど遠い、子どもとその家族の風景がある。言葉を失いました。」
「病院の外」では少子化対策が叫ばれているのに、なぜか「病院の中」は少子化対策とは無縁で、あたかも社会から隔離されているのか、社会の動きとは全く別のところで動いているようにしか思えません。このことは 2015年3月の東奥日報連載12回目 付き添いの建前と現実 でも書かせていただきました。
こうした記事が拡がることで少しでも入院中の環境が良くなることを願っています。

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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.08.14
以前、当院小児科に勤務されていた會田久美子先生が、今年7月に青森市内で気管支喘息・食物アレルギーなどの「アレルギー」と「こどもの発達、こころ」について専門に診療する 「あいだクリニック」 をご開業されることになったことをご紹介しました。先日、 「あいだクリニック」 を見学させていただくことができましたので少しだけご紹介させていただきます。

クリニックに入ってみるとまず目の前に広がるのが木目調の広い空間です。クリニックと言うよりも図書館とかのイメージかも知れません。

待合室の真ん中にはシンボルツリーとも言える大きな木のモニュメントがありました。

この木の下のところには小さなお子さんが遊べるスペースがあり、壁側には発達を促す仕組みが満載の仕掛けがしてあります。木の根元にあたるところはトンネルのように中に入れるようになっていて、探検して遊べるようになっていました。狭いところが好きな子ども達には大人気なのではないかと思います。



こちらは受け付けの右手です。絵本など、こちらでも遊べるようになっていますが、大きなディスプレイの下には暖炉がありました。この暖炉はLEDで本物の暖炉のように赤く灯り、水蒸気の煙も出てくる仕掛けになっています。近くでよく見ても本物にしか見えないほどよくできています。



こちらは診察室の入り口です。現在、クリニックには會田先生お一人ですが、診察室がいくつもずっと並んでいます。これは小さなお子さんの場合、診察室になかなか入ろうとしない、中に入ると診察が終わってもなかなか出てこない、といった子どもの特徴をよく理解している會田先生ならではのアイデアと感心しました。

こちらも診察室の入り口なのですが、ここは感染症の患者さん専用の診察室です。感染症のお子さん用に全く別の入り口が用意されていました。こちらは天井に青空がペイントされています。

一方、こちらは療育棟です。クリニックの入り口を入って右側になります。この部屋は感覚統合のために様々なアイテムが満載です。ボールプールにブランコ、反対側の壁面にはボルダリングができるようになっています。この他、心理検査のお部屋や言語療法のお部屋など、こちらもまだまだたくさんのお部屋がありました。




今回は會田先生の1年先輩で、同じく当院で研修をされていた大瀧先生がちょうどお盆休みで帰省中だったので一緒に見学させていただきました。

療育が必要なお子さんへの支援を考えるとき、つい社会として・行政としての支援をと考えがちなのですが、會田先生のように自らの行動によって支援する施設を生み出してしまうのは凄いことだと感じました。會田先生のクリニックが多くのお子さんとそのご家族の助けになることを心より願っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.08.11
先日は特別支援学校等に勤務されている先生や看護師さん達を対象にした「特別支援学校における医療的ケア基本研修」が青森県立保健大学を会場にして開催され、そこで「医療的ケアの必要な子どもの育ちと地域生活」と題してお話しさせていただきました。



内容の中心は医療的ケア児に関してなのですが、聴講される方達は教育関連の方がほとんどなので、まずは周産期医療とは?NICUとは?、次に小さく生まれたお子さん達の発達の特徴と言うあたりから始めました。その中でも特に、NICUとは赤ちゃんが育つ場であり、一緒に家族としても育って行く場でもあるということをコウノドリでのエピソードを交えてお話ししました。また、よくカンファレンスなどで「家族の受け入れは良好で・・・」などと言われることがありますが、実際にはそんな簡単なものではなく、事態を受け入れたと思えていても、その経過の中で何度も不安や期待や失望を繰り返す過程があることもお伝えしました。



次に本題の医療的ケアに関しては、特に老人における介護保険との枠組みに比べ、子どもに対する支援の枠組みは複雑で未整理であることが大きな問題であることを 小児等在宅医療地域コア人材養成講習会 の資料からいくつか引用してお話ししました。

また、昨年6月3日に公布された 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」 に関連して、今後、これを受けて医療的ケア児に対する支援が大きく変わって行くだろうと言うこともご紹介しました。

ところで、今回の研修会にATV青森テレビさんが取材にきて下さり、その日の夕方のニュース 「わっち!!」 で紹介されていました。


医療的ケア児に関しては新聞・テレビと言ったメディアにも度々取り上げていただけるようになり、青森県内でもかなり認知度が高まってきているように思います。少しでも多くの方に現状を知っていただくことが必要と思いますので、とてもありがたいと感じています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.08.07
今年も 青森ねぶた祭り の季節がやってきました。まずはねぶたの数々をご覧下さい。
(それぞれのねぶたの上にある題名をクリックすると青森ねぶた祭り公式ページのそれぞれの説明にリンクします)
赤沼伝説

妖術師 滝夜叉姫

剣の護法

紅葉狩
このねぶたが今年のねぶた大賞を受賞しました。

こうした大型ねぶたの他にも小さなねぶたや宣伝用のねぶたも多数行き交います。こちらはウルトラセブン50周年のねぶたです。


こちらは 谷田部みね子 さん(^0^)

三国志演義「美髯公 関羽 参上」

青峰山の牛鬼

酋長コシャマインの反乱

金神長五郎 仁王と相撲をとる

空飛ぶ権現様と火消

吹越村の火消し権現
このねぶたと上のねぶたの二つは同じ題材がテーマになっているようです。

仁田四郎 神霊を見る

鹿島神と要石

天草四郎 昇天

大型ねぶたは以上で12個ご紹介しましたが、実際には22個のねぶたがありました。青森はねぶた祭りが終わり、お盆も過ぎた頃には秋も間近な感じになります。受賞ねぶたは 「ねぶたの家 ワ・ラッセ」 に年間を通して展示されます。ねぶた祭りの参加が難しい方も、青森へお越しの際には是非お立ち寄りいただければと思います。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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