この週末は小児在宅医療推進の会議のために東京に行ってきました。
今回の会議のメインは NPO法人フローレンス 代表理事である駒崎 弘樹さんのご講演でした。
駒崎さんは待機児童問題や病児保育に取り組まれており、さらに 障害児保育園ヘレン や 障害児訪問保育アニー を通じて医療的ケア児を持つお母さん達の就労支援にまでも取り組まれている方です。
昨年9月17日の報道特集で「医療ケアが必要な子を育て働くこと」をテーマにした特集 が放送されましたが、この時にも日本初の障害児専門の保育施設であるヘレンの取り組みが紹介されていました。
ヘレンは障害のある子どもの受け入れ先が極度に不足している「障害児保育問題」を解決するというビジョンの元、1)医療的ケア、2)長時間保育、3)遊びを出発点とした活動と言う3つの特徴を有しています。
一方、アニーの方は、ヘレンが開設されてはみたものの需要があまりにも多く、園の開設が追いつかないため2015年に新制度なったのを機に誕生しました。アニーの特長は1)医療的ケア、2)非常勤、週2~5日勤務の長時間保育に対応、3)専門職による居宅訪問型(1:1)の個別保育、を特徴としています。
実際の運営に際しては、人材育成や異なる業種間の異なる文化間のコミュニケションなど、組織運営としても様々な取り組みがされていました。これは、今後、小児在宅医療支援体制構築の際にも同じように問題となるであろうことも多く、これはこれで非常に勉強になりました。
今回の会議で駒崎さんがいらっしゃると言うことで、東京に向かう新幹線の中でライフネット生命保険の会長である出口治明さんと駒崎さんが「安心して子育てができる社会にするには何が必要か?」をテーマに語り合った 「世界一子どもを育てやすい国にしよう」 を読んで行きました。双子のお子さんが次々と熱を出してそのお母さんが会社を辞めなければならなくなったと言う話を、ベビーシッターをされていた駒崎さんのお母さんから聞いて、それがフローレンス立ち上げのきっかけになったことがこの本で紹介されていましたが、そのお話は今回のご講演でもされていました。
ご講演終了後に成育医療センターの中村先生とご一緒に写真を撮らせていただきました。さらに本にもサインしていただきました。
駒崎さんのご活動は「障害児を持ったお母さんでも働けるようにする」という明確なアウトカムを設定している点が非常に際立っていると感じています。それもこうしたNPO立ち上げに際して明確なエピソードがあったからなのだと再認識しました。先日も 乳幼児の入院付き添い、なぜ24時間?~朝日新聞デジタル でご紹介したように、働くお母さんにとっては子どもの病気は障害はもの凄く高いハードルになっていると日々感じています。駒崎さんのサインにもあるように「共にこども達のために」これからのご活躍を心から祈っています。駒崎さん、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)