今年6月1日(土)に秋田市内で第11回あきた母乳育児をささえる会学習会が開催予定で、ここで「知ってほしい、赤ちゃんのこと ~少子化対策に欠けていた視点とその処方箋」と題してお話しさせていただく予定です。秋田県は青森県と並んで出生数減少が最も激しい県のひとつです。母乳育児を支える会としてのお話としてはちょっと異色かも知れませんが、日本の少子化対策がなぜことごとく失敗してしまったのかについて小児科医からの目線でお話したいと思っています。
※2019年12月24日追記:少子化対策に欠けていた視点とその処方箋~あおもり母乳の会

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(文責 成育科 網塚 貴介)

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メディカル・プリンシプル社『DOCTOR’S MAGAZINE(ドクターズマガジン)』4月号のチャレンジャー欄に取り上げていただきました。

今回の記事では、これまでの青森県の新生児医療での取り組み、その過程で極度の医師不足に直面した頃のこと、そこから神奈川県立こども医療センターへの国内留学を中心とした人材育成による再起、そして成育科になってからの取り組みと言う、本当に自分自身の青森でやってきたことの全部をご紹介して下さった感じの記事にして下さったように思います。
今回の取材で伝えたかったことは2点ありました。
1つ目は、人材育成のこと。これはかつて2014年の高知県周産期医療人材育成プログラム講演会でもお話ししましたが、人材育成するならまずは優先順位を入れ替えることが必要です。これは貯金と一緒で、「あとで余裕ができたら貯金しよう」と思っていたらいつまで経ってもお金が貯まらないのと同じで、優先順位を入れ替えない限り人材育成もその最初の一歩を踏み出さないと何年何十年経っても何も変わりません。そして、人材育成の目的が組織としての進化なのであれば人材育成の最終目標は「自分を要らなくすること」ではないかと言うことです。
2つ目は、これは成育科を立ち上げた時の動機にもつながる点です。これは記事にもあるように、近年、医療的ケア児が増えている中で、必ず枕詞のように『医療の進歩により、これまで助からなかった命が助かるようになった』と言われます。でも、新生児医療は政策医療の一環として発展してきました。それであれば、医療的ケア児の支援や小さく生まれた超低出生体重児のお子さんたちへの支援にもまた政策医療としての責任があるはずだと言うことです。いかにして彼らへの支援を充実させることができるかが成育科としての使命であると考えています。
以下に記事の画像を掲載しました。ご覧いただければと思います。

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(文責 成育科 網塚 貴介)

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前日の八戸市小児科医会に引き続きこの日は八戸地域の医療的ケア児支援体制検討会議があって、また八戸市にやってきました。会場は八戸駅隣のユートリーです。

季節柄というか、同じ日には予備校の説明会も。

医療的ケア児支援体制検討部会は昨年8月に第1回目の会議が組織され、その後、本部会の方も検討を続けてきましたが、年度末の3月には八戸地域と弘前地域での検討会議も組織されています。週明けの月曜日には弘前市内で弘前地域の検討会議も開催されました。


両地域とも検討会議としては発足したばかりですが、それぞれすでに活発に活動されている施設や事業所も多く、また委員でも参加して下さっています。その中のお一人であるNPO法人ありんこの一戸さんが医療的ケア児受け入れのため准看護師資格を取得されたとの記事が載っていました。医療的ケア児への支援体制が一足飛びで良くなることはなかなか難しいですが、こうして支援に関わる方達の思いがひとつひとつ実っていくことが前に進めていく原動力になるのだと思います。

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(文責 成育科 網塚 貴介)

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3月上旬の周産期学習会で神奈川県立こども医療センターで認定遺伝カウンセラーをされている西川智子先生から染色体異常を持つお子さんとのかかわりに関してのご講演をお聞きしたのに続き、先日は八戸市小児科医会でダウン症候群の治療と療育に関して、札幌市の天使病院小児科の外木秀文先生のご講演があると言うことで八戸まで行ってきました。

最初に、昨年春から八戸市民病院へ移動された伊藤先生からRSウイルスの流行状況に関してのお話がありました。伊藤先生が八戸市民病院へ移動してまだ1年も経たないのにしっかり地域に根ざしてご活躍されています。

続いて外木先生のお話です。

外木先生は、これは後の懇親会でお話をうかがったのですが、歴史が好きだそうで、今回のお話でも世界史上における障害児者やダウン症候群児者の扱われ方が、その時々・地域で大きく異なることをご紹介されました。例えば、スパルタ教育に例えられる古代スパルタでは勇者を育てるため子ども達をふるいにかけるように選別した社会だったかと思えば、下の写真はシュメール人で、この社会では障害児者は神の意志に基づいて養護されるべき存在として扱われていたのだそうで、非常に興味深く拝聴しました。

この日は伊藤先生と外木先生の間に青森県における医療的ケア児支援体制構築の現状に関して少しだけお話しする機会もいただきました。この次の日には八戸地域の医療的ケア児支援体制会議が予定されており、今後のことに関して八戸市小児科医会の先生ともお話しする機会ともなりました。外木先生、諸先生、ありがとうございました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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